一人暮らしを始めるにあたり、何をしたら良いのか分かりにくいですよね。まずは一人暮らしをしてみようと思った後に行うこと、一人暮らしが始まるまでの流れを大まかにイメージできるようになりましょう。一人暮らしが始まるまでには賃貸物件の条件を決めたり、賃貸物件を探したり、契約を行ったりと行うことがたくさんあります。難しそうですが、一つひとつ確実に進めていけば怖いことはありませんので、何度も読み返してゆっくりイメージできるようになりましょう。
一人暮らし開始までの流れ
一人暮らし開始までの流れは大きく8つに分かれます。一つずつ確実に進めていきましょう。
賃貸物件の条件を決める
まずは賃貸物件の条件を決めていきましょう。家賃、住みたいエリア、部屋の条件から決めていきます。
家賃を決める
賃貸物件の条件としてまず決めないといけないことは家賃です。物件を探す上で最も大切な項目であるにも関わらず、自分の気持ち次第でその決まりを破ってしまいがちです。決めた予算は変更しないように気をしましょう。
家賃は手取り収入(≒仕送り)の30%を目安
固定で入ってくる収入(仕事で入ってくる手取り金額、親からの仕送りなど)の30%を上限の目安に考えましょう。
1ヶ月の収入(仕送り)が25万円なら7万5千円、20万円なら6万円、18万円なら5万4千円、15万円なら4万5千円という目安のイメージです。
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住みたいエリア
大きいエリア
最寄り駅
エリアの判断材料として最もよく利用されるのが最寄駅です。繁華街か郊外か、職場や学校までの距離やアクセス、よく利用するエリアなどの判断材料にして最寄駅を2〜3駅は決めてみましょう。
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学校区
最寄駅の次に住みたいエリアを決める判断材料として学校区があります。各市町村は小学校や中学校をエリア別で割り当てています。希望する立地エリアを中学校の学区を2つまでに絞り込んでみましょう。こちらのサイト→学区マップ(外部リンク)で中学校の学区を検索できますので、よかったら参考にしてみて下さい。
小さいエリア
職場や学校までの距離
職場や学校までの交通手段によって住みたいエリアが限られる場合があります。徒歩、公共交通機関、自転車、自家用車、バイクなど考えられるかと思います。生活リズムに無理のないスケジュールで動けるようにイメージしてみましょう。通勤・通学時間は片道30分以内をオススメします。逆に通勤・通学時間が短すぎると生活圏内に知り合いが多く可能性が高くなるため、15〜20分を目安にされる方も多いです。
周囲の環境
生活で利用することが多くなるスーパー、ドラッグストア、銀行、ホームセンター、病院、コンビニなどの距離を確認しましょう。普段の生活で不便を感じない程度の距離範囲を考えてみましょう。
部屋の条件
部屋の条件がたくさんあるとなかなか見つからないことも。自分の譲れないポイントや優先順位を事前に決めてお部屋探しの準備にとりかかりましょう。一般的な賃貸物件の情報やチラシをイメージできるようになっておくと、自分に必要な条件を探しやすくなりますよ。事前に不動産用語を知っておくと、お部屋探しがスムーズになります。用語の意味を再確認しておきましょう。
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間取り/専有面積(広さ)
一人暮らしでは1Room、1k、1DKが多いと思います。それぞれメリット・デメリットがありますが、一人暮らしでは1Kを選ばれる方が多いです。専有面積では25m2以上あれば生活で困らない広さだと言えます。「キッチン+7畳」の間取りと広さだとイメージしてみてください。
収納量
収納の広さは部屋の広さと同じくらい大切です。収納が少ないと部屋の中に物をたくさん置くことになってしまいます。整理整頓に手間がかかってしまいます。クローゼットや押入れ、戸棚などがどれくらい必要か考えておきましょう。
築年数
築年数が少ないほど家賃は高騰します。柱の強度(木造・鉄筋・鉄骨)や耐震基準が不安であれば、を築年数の確認をするようにしましょう。築年数が古い物件であっても修繕・リフォームなどで見た目(内装や外装)は新築と変わらない物件も多くあります。内見で確認をしたり、入居までに修繕があるか確認をしてみましょう。
和室・洋室
「和室」を選択肢に加えると予算を抑えることができます。原則的に前に住んでいた方が退去される際には畳の表替えを行なっていますので、衛生的には安心して利用ができます。
風呂・トイレ別
一人暮らし用の部屋では風呂・トイレが一緒のユニットバスタイプの事も多いです。家賃は安くなりますが不便な事は多くなります。
セキュリティー
部屋が2階以上だと防犯面では安心です。また、カギの個数やインターホンの有無、オートロックなどが付いているかも重要になります。
日当たり
「南向き」の部屋は日当たりが最も良いです。日中は光がずっと入ってきます。さらに太陽の位置が高い夏は日光が入りにくく涼しく、太陽の位置が低い冬は日光が入りやすいため暖かくなります。このことから「南向き」が最も好まれます。
「東向き」の部屋は午前の日当たりが良いため、午前中に洗濯物をする方や午前に活動する方(日勤者や学生)にはおすすめの部屋です。
「西向き」の部屋は午後の日当たりが良いため、午後に洗濯物をする方や朝日が入ってこないため午後や夜勤の方にはおすすめです。
「北向き」の部屋は日が当たる時間が短いため、洗濯物が乾きにくく、湿気が多いためカビが発生しやすいというデメリットがあります。カーテンをずっと閉めっぱなしにしたい方にはおすすめなのかもしれません。
その他
エアコンの有無、ガスコンロやIHコンロ、インターネット接続無料、室内洗濯機置場の有無、ロフトの有無などの細かい条件設定が必要であればチェックしておきましょう。
賃貸物件を探す
探し始める時期
退去は原則退去する1か月前までに通知をするようになっています。そのため、2月~3月は引っ越し繁忙期になる、良い物件が出ている事が多いです。その反面、不動産業者さんも多忙になるため、詳しく丁寧に対応する事が困難である場合もあります。
ゆっくりと話し合いや内見を行いたい場合
閑散期でもある5月~12月頃に行いましょう。ただし、①空いている物件が少ない、②選ばれなかった(=人気のない)部屋が多いことデメリットです。そのため、無理に物件を決める必要はなく、自分が希望する物件の条件を再確認したり修正する目的で考えても良いかと思います。
良い部屋があれば決める時期(最もおすすめ!)
1月下旬~2月上旬に行いましょう。空き物件の件数が増えてくる時期でもあり、繁忙期ほど忙しくないです。徐々に物件探しをされる方が増えてくるので、良い物件があれば、早めに契約するのが無難な時期になります。
翌日には新しい物件が紹介されている場合もあり、この時期は『運』が必要になります。
即決する勇気が必要な時期
ベストな物件を探すのであれば、早い者勝ちで短期間の勝負になりますが2月中旬~3月上旬を狙ってみましょう。ただし、良い物件が見つからない場合もあり、妥協した物件となる可能性もあるリスクもあります。また、引っ越しの準備のためバタバタになります。
賃貸物件を探す方法
ネットで探す(オススメ)
現代で最も利用されている方法がネット検索です。SUUMO、at home、HOME’S、Yahoo不動産などが有名です。上記の賃貸物件の条件をもとに検索をかければ希望に沿った賃貸物件を一覧で見ることができます。
「地場の不動産屋さんが個人の大家さんと取引をしている物件」など、特定の条件を除いた賃貸物件はおおよそネット検索で閲覧が可能です。自分の時間でゆっくりと検討ができるので最もおすすめです。
不動産屋さんを直接訪ねる
ネットで探すよりもスピーディに探せることがメリットです。その反面、不動産屋さんがオススメしてくる物件が本当に自分にとって良い物件なのかを判断する能力が求められます。
不動産屋さんに行く
自分が希望する賃貸物件を見つけたら、次は不動産屋さんにいきましょう。ですが、突撃訪問をする前に知っておいて欲しいこと1つがあります。これから不動産の内見や契約をするにあたり、①大家さん、②不動産屋さん(仲介業者)、③不動産管理屋さん(物件管理業者)の3者が出てきます。この方たちの関係性を理解した上で、不動産屋さんを訪れましょう。
どの不動産屋さんを選ぶべきか?
特定の条件がついた賃貸物件以外であれば、基本的にどの不動産屋さんでも賃貸契約を進めることが可能です。通いやすい店、親切で親身になって対応してくれるスタッフがいるお店を選びましょう。
(例)
【〇〇不動産】がネットで紹介していた【☆☆コーポ101号室】を検討してるとします。その際に【〇〇エステート(別の不動産屋さん)】に【☆☆コーポ101号室】の内見や契約を希望しても対応は可能です。
好意にしている不動産屋さんがいないのであれば、基本的に希望した物件を紹介している不動産屋さんを選んでいただいて問題はありません。ただ、①仲介手数料無料or割引、②大家さんや不動産管理会社に対して行動を起こしてくれる(礼金や家賃、ネット環境の相談など)不動産屋さんも中にはおられます。
連絡はどのようにすればよいか?
ネット検索をしているのであれば、サイト内からの連絡で大丈夫でしょう。連絡する内容はその物件に関しての「詳細」、「初期費用」、「内見可能日」などを聞くと良いかと思います。また、不動産屋さんに他の物件も紹介して欲しい場合には、物件の条件なども合わせて記載しておくと良いかと思います。
物件の内見をする
お気に入りの物件を見つけたら、次は内見を行ってみましょう。内見では①周辺施設、②物件周りの状況、③屋内状況を特に確認してみましょう。
合わせて読みたい【完全版】一人暮らし向け内見チェックリスト
入居申込書に記入する
内見を終えて入居する物件と無事に出会えたら、いよいよ入居に向けた契約が始まります。今回記入する「入居申込書」は本契約を結ぶ書類ではなく、入居の意思確認をするための「受付」みたいなものです。この入居申込書に記載事項をもとに、契約を結んでいくための書類や審査を受けることになります。
この入居申込書に記入する項目としては主に「賃貸物件情報」・「身分証明」・「勤務先や学校」・「入居する人数」・「連帯保証人」・「緊急連絡先」などを記載します。
入居申込書に記入する際には身分証明書として「運転免許証」・「保険証」・「収入証明書」・「学生証(合格通知書)」・「マイナンバーカード」などいずれかの証明書を提出することになります。
また、物件の申込金(仮押さえ)として家賃1ヶ月分ほどを支払う場合があります。この申込金は契約を結ばなかった場合には返還となり、契約を結んだ場合には敷金や礼金などの契約金の一部として取り扱いされます。
家賃保証会社の審査を受ける
入居申込書を提出が済んだら、次は家賃保証会社の審査を受けることになります。入居申込書をもとに物件を借りる方が「経済的に安定しているか、家賃等の滞納する可能性がないか」を家賃保証会社が審査します。ひと昔前は、家賃の滞納があった場合の責任を「連帯保証人」が引き受けることが多かったのですが、現在は家賃の滞納があった場合の責任は「家賃保証会社」が引き受けることが多いです。そのため、年収や職業安定性によっては審査が通らない場合があります。「連帯保証人」をつける必要があります。家賃の滞納が発生した際には連帯保証人が家賃を支払うことになります。
契約書の説明・記入
無事に家賃保証会社の審査が通ったら、次はいよいよ本契約に移ります。本契約に必要な書類は「重要事項説明書」と「賃貸借契約書」の2種類があります。特に「重要事項説明書(通称:重説)」は不動産取引の国家資格である「宅地建物取引士(通称:宅建士)」が説明しなければならないという決まりがあるほど重要な書類です。重要な書類であることを知らずにサラッと説明を聞いてサインをすると、のちのち厄介なトラブルになることもあるので、必ずチェックしましょう。
重要事項説明書
重要事項説明書には賃貸物件の「土地」・「建物」に関する決まりや情報、契約における金額や損害賠償などの情報、不動産管理会社などの情報など、契約の判断に大きな影響を及ぼす事項が記載されています。細かい字であったり分かりにくい表現や言葉を使っていますが、重要事項説明書への記入・押印は賃貸物件の内容や説明を十分に理解・納得した上で行いましょう。
一般的な賃貸契約におけるルールは整備されていますが、借主が不利になる“特約”が記載されている場合がありますので必ずチェックしましょう。
合わせて読みたい【解読】賃貸物件の重要事項説明書はここをチェック!
賃貸借契約書
賃貸借契約書はいわゆる”契約書”になります。この賃貸借契約書に記入をした時点で契約が成立することになりますので、賃貸契約における疑問や不明な点を残さない状態で記入をしましょう。この賃貸借契約書には物件の詳細、構造、設備、契約期間や更新、家賃や共益費、退去時の条件などが記載されています。
契約に必要な書類
・住民票(発行から3ヶ月以内、連帯保証人も必要な場合あり)
・印鑑証明書(連帯保証人も必要な場合あり)
・勤務先証明書や内定通知書
・学生証
・収入証明書(連帯保証人も必要な場合あり)
・銀行印と通帳(家賃を口座引き落としにする場合)
・火災保険証明書
鍵の受け渡し
契約書の説明や記入が終わったら、いよいよ鍵の受け渡しです。お疲れ様でした。
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