歯磨きは毎日するものだと分かっているけど、歯磨きのノウハウについて全然知らず、ただ何となく行っていませんか?歯磨きは「歯ブラシ・歯磨き粉・磨き方」の3つが正しく行われて初めて歯が綺麗になります。間違った歯磨きは虫歯や歯周病の原因となり、男子諸君の大きな悩みでもある「口臭」の原因になります。そんな悩みを少しでも減らすために、しっかりと理解しましょう。
歯ブラシの選び方
歯ブラシコーナーに行くとたくさん並んでおり、歯ブラシの違いが分からなくて困りますよね。1本500円するものから、4本セットで100円のものまで値段も様々あります。そんな歯ブラシを選ぶ基準について解説していきます。自分に合った歯ブラシの見つけ方を知ると、歯ブラシコーナーで5分ほど立ち止まるようになるのではないかと思います。
歯ブラシは「毛のコシ」が1番大事
歯ブラシの毛がどのような動きをして歯垢を落としているかご存知でしょうか。歯を磨くときに左右・上下など小刻みに動かして磨くと思います。右から左、左から右、上から下、下から上など、いったんしなった毛が反発して元に戻る時のコシ(弾力)によって磨かれます。
コシが少なくなると磨く力も弱くなり、コシが強すぎると歯や歯茎を傷つける可能性があります。
自分の口の中の状態を知る
歯ブラシを選ぶ前時に自分の口の中の状態がどうなっているのかによって選び肩が変わります。注目する点は「歯茎の状態」です。
歯茎が「健常な歯茎」か「要注意な歯茎」かによって歯ブラシの選び方は変わります。「要注意な歯茎」は口臭の原因になるだけではなく、歯周病や歯肉炎などの可能性がありますので特に注意が必要です。歯ブラシの選び方も大切ですが、1度歯医者に行って口の中を診てもらいましょう。
毛の材質
歯ブラシの「コシ」に最も影響を及ぼしているのが毛の材質です。毛の材質には主にナイロンと飽和ポリエステル樹脂の2つがあり、ナイロンよりも飽和ポリエステル樹脂のほうが良質です。歯磨きコーナーに行く機会があれば、パッケージの裏に書いてある「毛の材質」と価格の違いについて確認してみましょう。
ナイロン
ナイロンは丈夫で切れにくい化学繊維として有名であり、多くの歯ブラシに使用されています。飽和ポリエステル樹脂と比較して、水(唾液)に濡れると柔らかくなり、コシが弱くなります。
飽和ポリエステル樹脂
飽和ポリエステル樹脂も丈夫で切れにくい化学繊維ですが、ナイロンと比較する約4倍も耐久性が高いです。さらにナイロンよりも柔らかさとコシの強さも良好です。ただし、ナイロン製の歯ブラシよりも価格は高くなります。
歯ブラシヘッドの長さ
上の前歯2本分が適正だと言われています。鏡で自分の前歯2本分の長さを確認しておきましょう。
毛先の形状
丸毛:歯に接する面積が多いため、歯垢除去能力が高いです。「健常な歯茎」にはこちらがオススメです。
極細毛:歯と歯茎のスキマ、歯と歯の間の歯垢を落とす事に優れています。「要注意な歯茎」にはこちらがオススメです。
毛先の硬さ
毛先の硬さは「柔らかい」・「ふつう」・「硬め」の3種類があります。
- 柔らかい:「要注意な歯茎」にオススメ
- ふつう:「健常な歯茎」にオススメ
- 硬い:あまりオススメする方はいません。
毛先が硬い方が除去能力が高いと思われるかもしれませんが、冒頭でお伝えした「コシ」が一番大切です。柔らかい毛先でも「コシ」があれば歯垢除去はしっかり可能ですし、硬い毛先でも「コシ」がなければ歯垢の除去能力は弱いです。
硬い毛先は歯や歯茎を傷つける可能性がありますので、使用されている方は変更をオススメします。
歯ブラシの寿命はいつ?
ナイロン、飽和ポリエステル樹脂ともに使うほど「コシ」は少なくなっていきます。約1か月を目安に、広がった毛先が背面から見えるようになってきたら交換しましょう。2カ月や半年、1年経った歯ブラシでも歯は磨けますが、綺麗には磨けていません。
また、古くなった歯ブラシは掃除で貴重な存在ですので、捨てずにかならず保管しておきましょう。
歯間ブラシやデンタルフロスの併用
歯磨きだけでは6割ほどの歯垢しか落とす事はできないと言われています。特に歯のスキマや奥歯などの磨き残しのために使用する事をオススメします。
歯磨き粉の選び方
歯磨き粉は歯ブラシよりも種類が多く、100円程度から1000円以上のものまで値段もいろいろあります。本当にどれが良いのか分かりにくいですよね。歯磨き粉の違いについてまとめましたので、自分に合った物が何なのかしっかり理解しましょう。
そもそも歯磨き粉は必要?
絶対に必要ではありません。歯磨き粉を使うメリットとデメリットの両方があります。
メリットとデメリットの両方を考えた上で、歯磨き粉を使うか考えましょう。前述した自分にあった歯ブラシと後述する正しい歯磨き方法ができれば、使用する事をオススメします。
自分の口の中の状態を知る
歯磨き粉には「虫歯予防」、「歯周病予防」、「口臭予防」、「ホワイトニング」の効果があります。自分に虫歯があるか、口臭があるか、歯周病があるのかを知らないと最適な歯磨き粉は選べないので、しっかりと確認しましょう。
確認すべき成分
歯磨き粉には
- 基本成分のみ配合されている「化粧品」としての歯磨き粉
- 基本成分に薬用成分が加わった「医薬部外品」としての歯磨き粉
の2つに分けれます。歯磨き粉の性能は薬用成分の配合によって変わるので、しっかりと確認しましょう。
【化粧品とは】
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることは目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう」と定義されている。また、全成分の表示が義務付けされている。
【医薬部外品とは】
「人体に対して作用する緩和なもので、機械器具等ではないもの」と定義されている。具体的には口臭や体臭、の防止、脱毛、あせも、ただれ等の防止、育毛や発毛といった目的に対する有効成分(薬用成分)が含有されている商品。また、全成分の表示が義務とはなっていない。
大半の歯磨き粉は『医薬部外品』になっており、いわゆる「薬用歯磨き」と呼ばれるものです。自分が使っている歯磨き粉の成分表の近くには「化粧品」ではなく「医薬部外品」と書いていると思うので見てみましょう。そしてどんな「薬用成分」が入っているかで、その歯磨き粉がどんな効果を狙っているのか理解できます。
配合されている「薬用成分」はほとんど表示していると思われますが、薬用成分含有量まで表示されていない事がほとんどです。狙った効果は分かりますが、どれだけ効果的なのかは分かりません。
ただし、日本におけるフッ素の基準値に関しては、従来1000ppm以下と決められていましたが2017年から1500ppmに引き上げられました。虫歯予防効果としてフッ素含有量が1000ppm以上と表示されている物を選びましょう。また、成分表示には含有量の多いものから順に上から記載するという基本的なルールがありますので、薬用成分が上から何番目に記載されているかも一つの目安になるかもしれません。
主な基本成分
研磨剤(清掃剤、基剤):歯の表面を傷つけてしまう可能性があるため、なるべく少ないものが良い
発泡剤:泡がたくさんあると「磨いたつもり」になる可能性があるため、なるべく少ないものが良い
その他に保湿剤、結合剤、香味料、清掃助剤、防腐剤などがあります。
主な薬用成分
虫歯予防:フッ素(モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム)、ハイドロキシアパタイト
歯周炎予防:ε―アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β―グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、酢酸トコフェロール、トラネキサム酸、オウバクエキス
歯肉炎予防:塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム
歯垢除去:デキストラナーゼ
知覚過敏:乳酸アルミニウム、硝酸カリウム
ホワイトニング:ポリエチレングリコール(PEG)、ポリリン酸ナトリウム
口臭予防:ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)、ヒノキチオール
値段で考える
歯磨き粉は上記で示した通り、成分によって機能が大きく異なります。あとは値段も一つの選ぶ基準として考えましょう。
- 300円未満
- 300円~700円
- 700円以上
の3つで考えてみてください。
300円未満
ドラッグストアやスーパーなどの多くがこの値段で販売されています。一般的にはこの値段で買われている方が多いのではないでしょうか。300円未満であれば、薬用成分は入っているけど、効果が不十分である可能性が高いです。
その中でもクリニカはフッ素が1450ppm配合されている事を明記しているので、300円未満の歯磨き粉で虫歯予防ではクリニカがおすすめです。
300円~700円
薬用成分が十分入っているものが多く、自分のお口トラブルに合わせた歯磨き粉を選びやすくなります。一般的にはこの価格のものをオススメします。
700円以上
薬用成分がしっかりと入っており、すぐにでもお口トラブル対策をする方が良い方にはオススメです。ただし、高価なものになりますので、しっかりと選びましょう。
正しい歯磨きの方法
どんなに高性能の歯ブラシと歯磨き粉を準備しても間違った方法では綺麗な歯にはなりません。歯磨きの中で最も大切な歯磨きの方法について説明していきます。
歯磨き粉の量
歯磨きの量は1~2cmにしましょう。
歯磨きにかける時間
1本1本を磨くように磨くため、5分以上はかけましょう。
磨き方
角度、先っぽ
歯と歯茎のスキマを狙う時には45度、歯と歯の間を狙う時には水平に磨きましょう。
奥歯や歯の裏側を磨く時には歯ブラシヘッドの先っぽで磨きましょう。
圧力
150~200g程度の圧力で磨きましょう。強く抑えすぎると歯や歯茎を痛めてしまいます。
磨く場所
前面や上面だけではなく、側面や裏面もしっかり磨きましょう。
まとめ
歯ブラシ・歯磨き粉は実際にお店で見て、自分で判断する必要があります。ただ、歯磨きはどんなに良い商品を使っても、正しい磨き方が出来ていなければ効果がありません。しっかり覚えて習慣にしましょう。
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